認知症センター便り
<オレンジカフェ> 振り返り No.65
2026年6月24日実施
こんにちは。オレンジカフェスタッフです。
2026年度第3回目のオレンジカフェを、会場とオンライン(Zoom)で開催しました。
今回も多くのご参加をいただき、ありがとうございました。
当日のお話の中から、参加できなかった皆さまへ内容をご紹介します。
☕ もの忘れチェック会と認知症検診
・小平市では「もの忘れチェック会」を年10回以上継続して開催しており、もの忘れのチェックをする簡易テストをして、認知症や予防に関するミニ講座の動画を流します。毎回、もの忘れ外来の医師がオンラインで参加し、質問にもお答えしています。
・チェックに使用している認知機能テストは海外で作成されたものを日本語化したもので、設問によっては解釈が分かれることがあります。そのため、採点時には心理士など複数のスタッフが毎回話し合いながら、公平な評価を心がけています。多少の点数差で結果が大きく変わるものではなく、あくまでも認知機能の変化に気づくための目安として活用されています。
・認知症検診は東京都では比較的普及していますが、全国的にはまだ十分とはいえません。早期に認知機能の変化に気づくことで、生活上の工夫や支援につなげられるほか、治療可能な病気が見つかる場合もあります。そのため、気になる症状があれば早めに検診や医療機関を受診することが大切です。
・以前は「早期診断、早期絶望」と言われる時代もありましたが、現在は「診断後支援」の考え方が重視されています。認知症と診断されても、できることや楽しめることは多くあります。必要以上に不安を抱えず、早めに相談や検診を受けることの大切さが改めて紹介されました。
☕ 認知症による視空間認識の問題
目の前にある物がうまく認識できない原因として、白内障などの目の病気だけでなく、半側空間無視やレビー小体型認知症などによる脳の認識機能の低下が考えられます。まずは眼科で視力を確認し、それでも改善しない場合は脳の検査を検討します。また、机の上には必要な物だけを置くなど、環境を整理することで認識しやすくなる場合があります。
☕ 認知症への理解を深める本の紹介
齋藤正彦氏の『アルツハイマー病だった母が見た世界-----ことすべて叶うこととは思わねど』(岩波書店)や、山本岳氏の『老いを生き切る 軽度認知障害になった僕がいま考えていること』(アスコム)が紹介されました。
『アルツハイマー病だった母が見た世界』では、「認知症とは、以前できていたことができなくなり本人が困っている状態」であり、「知らないからできない」のではないことが丁寧に描かれています。
また、『老いを生き切る』では、軽度認知障害(MCI)の当事者が、歩くこと・料理をすること・人と話すことなど、日々の実践を通して前向きに生活する様子が紹介されており、認知症予防や高齢者の生活の参考となる一冊です。
☕ 家族の治療方針の違いについて
前頭側頭型認知症や神経難病が疑われる家族について、根本的な治療法がない中で、家族間で治療方針に対する考え方が異なることへの悩みが寄せられました。
病気によっては「治すこと」だけを目標にするのではなく、本人らしい生活を支えることや生活の質(QOL)を保つことも大切な治療の一つです。家族で十分に話し合いながら、主治医や専門職とも相談していくことの大切さが共有されました。
☕ 介護者の精神的負担と向き合い方
介護を続ける中で、「逃げたい気持ち」と「向き合わなければならない気持ち」の間で葛藤しているという声がありました。
同じような経験をされた方からは、「罪悪感を持たずに、自分の時間を意識して作ることも大切」という助言がありました。また、看護師からは「介護を真面目に頑張りすぎないこと」「介護者が心にゆとりを持つことが、結果的に本人にとっても良いケアにつながる」とのお話がありました。
デイサービスの利用や別室で過ごす時間をつくるなど、適度な距離を保つことも、家族関係を良好に保つための一つの方法であることが共有されました。
また、「治らない病気」と向き合うことは精神的につらいものですが、これまでの介護が現状維持につながっていることをまず褒めてあげてください。また、夫婦で楽しめる趣味やリラックスできる時間を共有することも大切であるとのお話がありました。
☕ 服薬支援ツールの紹介
服薬をサポートする方法として、さまざまな工夫が紹介されました。
【服薬支援機器の活用】
アラーム付き・音声案内付きのピルケースや、設定した時間にのみ薬を取り出せる鍵付きディスペンサーなど、飲み忘れや重複服薬を防ぐための機器があります。
【薬局による支援】
訪問薬局では、薬剤師がピルケースやお薬カレンダーへの薬のセット、服薬タイマーの設定などを支援してくれる場合があります。また、服用するタイミングごとに薬をまとめる「一包化」を利用することで、服薬管理がしやすくなります。
【身近な工夫】
100円ショップなどで購入できるお薬カレンダーやピルケースを活用する方法も、服薬管理に役立ちます。
服薬支援ツールは、本人がどの程度ご自身で管理できるか、家族の見守りが可能かなど、それぞれの生活に合った方法を選ぶことが大切です。飲み忘れだけでなく、重複して服薬してしまうことを防ぐことも重要なポイントとして話題になりました。
今回も、様々な経験や工夫が共有され、「一人で抱え込まないこと」の大切さを改めて感じる時間となりました。次回のオレンジカフェでも、皆さまと安心して話し合える場を作ってまいります。どうぞお気軽にご参加ください。
>認知症センター/認知症疾患医療センター
こんにちは。オレンジカフェスタッフです。
2026年度第3回目のオレンジカフェを、会場とオンライン(Zoom)で開催しました。
今回も多くのご参加をいただき、ありがとうございました。
当日のお話の中から、参加できなかった皆さまへ内容をご紹介します。
☕ もの忘れチェック会と認知症検診
・小平市では「もの忘れチェック会」を年10回以上継続して開催しており、もの忘れのチェックをする簡易テストをして、認知症や予防に関するミニ講座の動画を流します。毎回、もの忘れ外来の医師がオンラインで参加し、質問にもお答えしています。
・チェックに使用している認知機能テストは海外で作成されたものを日本語化したもので、設問によっては解釈が分かれることがあります。そのため、採点時には心理士など複数のスタッフが毎回話し合いながら、公平な評価を心がけています。多少の点数差で結果が大きく変わるものではなく、あくまでも認知機能の変化に気づくための目安として活用されています。
・認知症検診は東京都では比較的普及していますが、全国的にはまだ十分とはいえません。早期に認知機能の変化に気づくことで、生活上の工夫や支援につなげられるほか、治療可能な病気が見つかる場合もあります。そのため、気になる症状があれば早めに検診や医療機関を受診することが大切です。
・以前は「早期診断、早期絶望」と言われる時代もありましたが、現在は「診断後支援」の考え方が重視されています。認知症と診断されても、できることや楽しめることは多くあります。必要以上に不安を抱えず、早めに相談や検診を受けることの大切さが改めて紹介されました。
☕ 認知症による視空間認識の問題
目の前にある物がうまく認識できない原因として、白内障などの目の病気だけでなく、半側空間無視やレビー小体型認知症などによる脳の認識機能の低下が考えられます。まずは眼科で視力を確認し、それでも改善しない場合は脳の検査を検討します。また、机の上には必要な物だけを置くなど、環境を整理することで認識しやすくなる場合があります。
☕ 認知症への理解を深める本の紹介
齋藤正彦氏の『アルツハイマー病だった母が見た世界-----ことすべて叶うこととは思わねど』(岩波書店)や、山本岳氏の『老いを生き切る 軽度認知障害になった僕がいま考えていること』(アスコム)が紹介されました。
『アルツハイマー病だった母が見た世界』では、「認知症とは、以前できていたことができなくなり本人が困っている状態」であり、「知らないからできない」のではないことが丁寧に描かれています。
また、『老いを生き切る』では、軽度認知障害(MCI)の当事者が、歩くこと・料理をすること・人と話すことなど、日々の実践を通して前向きに生活する様子が紹介されており、認知症予防や高齢者の生活の参考となる一冊です。
☕ 家族の治療方針の違いについて
前頭側頭型認知症や神経難病が疑われる家族について、根本的な治療法がない中で、家族間で治療方針に対する考え方が異なることへの悩みが寄せられました。
病気によっては「治すこと」だけを目標にするのではなく、本人らしい生活を支えることや生活の質(QOL)を保つことも大切な治療の一つです。家族で十分に話し合いながら、主治医や専門職とも相談していくことの大切さが共有されました。
☕ 介護者の精神的負担と向き合い方
介護を続ける中で、「逃げたい気持ち」と「向き合わなければならない気持ち」の間で葛藤しているという声がありました。
同じような経験をされた方からは、「罪悪感を持たずに、自分の時間を意識して作ることも大切」という助言がありました。また、看護師からは「介護を真面目に頑張りすぎないこと」「介護者が心にゆとりを持つことが、結果的に本人にとっても良いケアにつながる」とのお話がありました。
デイサービスの利用や別室で過ごす時間をつくるなど、適度な距離を保つことも、家族関係を良好に保つための一つの方法であることが共有されました。
また、「治らない病気」と向き合うことは精神的につらいものですが、これまでの介護が現状維持につながっていることをまず褒めてあげてください。また、夫婦で楽しめる趣味やリラックスできる時間を共有することも大切であるとのお話がありました。
☕ 服薬支援ツールの紹介
服薬をサポートする方法として、さまざまな工夫が紹介されました。
【服薬支援機器の活用】
アラーム付き・音声案内付きのピルケースや、設定した時間にのみ薬を取り出せる鍵付きディスペンサーなど、飲み忘れや重複服薬を防ぐための機器があります。
【薬局による支援】
訪問薬局では、薬剤師がピルケースやお薬カレンダーへの薬のセット、服薬タイマーの設定などを支援してくれる場合があります。また、服用するタイミングごとに薬をまとめる「一包化」を利用することで、服薬管理がしやすくなります。
【身近な工夫】
100円ショップなどで購入できるお薬カレンダーやピルケースを活用する方法も、服薬管理に役立ちます。
服薬支援ツールは、本人がどの程度ご自身で管理できるか、家族の見守りが可能かなど、それぞれの生活に合った方法を選ぶことが大切です。飲み忘れだけでなく、重複して服薬してしまうことを防ぐことも重要なポイントとして話題になりました。
今回も、様々な経験や工夫が共有され、「一人で抱え込まないこと」の大切さを改めて感じる時間となりました。次回のオレンジカフェでも、皆さまと安心して話し合える場を作ってまいります。どうぞお気軽にご参加ください。
>認知症センター/認知症疾患医療センター