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コラムとニュース columns and news

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オレンジカフェ

<オレンジカフェ>振り返り No.50

2025年3月26日実施

こんにちは。オレンジカフェスタッフです。
2024年度、第12回目のオレンジカフェを会場とオンライン(zoom)で開催しました。
先月に引き続き、話し合われた内容について、参加できなかった皆さまにもご紹介していこうと思います。
認知症の人が車でひいたときに、本当に記憶がないのだろうか?

静岡県浜松市で78歳の農家の男性が女の子を車ではねたが、ひいた記憶がないと言っている。その方が、認知症かどうかは、明らかにされていない。
⇒認知症の方が事故を起こしたのに「ひいていない」と言う場合(長田先生の回答)
①認知機能の問題で本当に覚えていない、もしくは事故自体を認識できていないから。
②感覚が鈍っていて、ぼ一っとしていたから。
などの理由が考えられます。
※不測の事態の場合には交通事故になる可能性もあるので、忘れることが増えてきて、
家族や周囲の方との間での話にズレが出てくる前に、なるべく早めに運転免許の返納を検討した方がよいかもしれません。

長田先生からの論文
①塚本先生が東村山市で講演された「日常生活における認知症予防の工夫」2022/5/14にて、認知症のすぐできる2つの予防法として下記が挙げられた。
・運動: 1日20分程度の歩行
・社会参加:友人、趣味の友人、隣近所や親せき、家族とのつきあいやデイサービス。
https://www.ncnp.go.jp/hospital/news/docs/nichi nichijou.pdf

②災した認知症の人と家族の支援マニュアル(介護用) 2版
日本認知症学会マニュアル作成ワーキンググループ編
・介護家族や介護職が提供する支援、家族介護者への支援、ケアスタッフの支援、情報提供やサポート体制が説明されている。
https://saigai-kokoro.ncnp.go.jp/contents/pdf/kaigo419.pdf

フレイル予防に有効な種目が男女で異なる
⇒筑波大学の辻先生は認知症の既往がなく、日常生活が自立した高齢者7万6千人に調査した。その結果、男子はゴルフ、女性は水中運動で認知症男性のゴルフでは歩数が顕著に増加し、プレー中に世代間交流が促された。女性では、協議性を伴う高強度のスポーツよりも中強度の有酸素運動、エクササイズが効果的であることが示唆された。
・筑波大学報道発表PressRelease No: 432-24-1
https://www.jages.net/?action=cabinet_action_main_download&block_id=5437&room_id=549&cabinet_id=320&file_id=14322&upload_id=l9511
• Medical Tribune vol.58 No.6 (2025/3/20)

ゆるらん
2025年3月29日には、たけのこ公園周辺の遊歩道で午前10時10分から10時40分頃まで開催された。

ノンアルツBee
朝日新聞で紹介されていた、岡山県の山田養蜂場で作られたノンアルツBeeの接種が言語記憶力や注意力の向上が確認されているということについてその効果の妥当性についての質問がありました。
(長田先生の回答)
・効果には個人差があると思います。
・集中力が上がって、認知機能が上がるならば、まず医者同士で薬を出し合うのではないか。
・統計の結果はそのとったフィールドによって結果が異なることがある。

☕長田先生からの論文
日記、自伝にフィードバックをかけることが大事。
・介護者に日記をつけてもらい、後で一緒に見返すようなフィードバックがあるとさらに良い。その際に、ポジティブな日記の方が望ましい。