認知症センター便り
<オレンジカフェ> 振り返り No.60
2026年1月28日実施
こんにちは。オレンジカフェスタッフです。2025年度、第10回目のオレンジカフェを会場とオンライン(zoom)で開催しました。
先月に引き続き、当日のお話から、参加できなかった皆さまにご紹介します。
☕認知症の症状進行と段階別の介護課題
今回は、認知症の「中期」と呼ばれる時期の特徴についてお話がありました。
・中期は記憶力などは低下してきますが、身体能力は比較的保たれている時期です。そのため、「自分ではできると思っていること」と「実際には難しくなっていること」のズレが生じやすく、混乱や不安が強まることがあります。徘徊や異食といった行動・心理症状(BPSD)が現れやすい時期であることが話合われ、理解を深めました。
・一方で、症状の重さと介護の大変さは必ずしも一致するわけではありません。初期の段階でも、不安により頻繁な確認行動が見られるなど、それぞれの段階での困難さがあることも共有しました。この時期を「まだできることが残っている元気な時期」と前向きにとらえることで、介護する側の気持ちが少し楽になることもある、という意見も共有されました。
・当院の医師からは、病期の区分はお薬の調整の目安にはなるものの、数字や分類だけでその人の状態をすべて判断できるわけではない、という説明もありました。
☕若年性認知症と早い段階での相談の大切さ
参加者から「50代で認知症と診断された知人が、支援サービスを利用することに抵抗を感じている」という話が紹介され、若年性認知症ならではの課題や支援の大切さについて意見を交わしました。
「オレンジカフェ」は70代や80代の方が中心というイメージを持たれがちですが、若い世代の方にもご参加いただける場です。早い段階で専門の相談窓口へつながることのメリットが挙げられました。若年性認知症の場合、仕事や家計、子育てなど、生活上の悩みも大きくなりますが、早い段階から利用できる制度や支援もたくさんあります。また、「おせっかいになるかもしれないけれど、本人だけでは見つけにくい支援につなぐことが、本人にとってもそのご家族にとっても大きな助けになる」という意見も出ました。早めに相談先とつながっておくことの大切さが、改めてスタッフからも確認されました。
☕終末期医療について考える
認知症が進んだときの医療の選択についても話題になりました。
例えば、誤嚥性肺炎を起こした場合、点滴や管から栄養を入れる治療を行うかどうかという問題があります。
本人の意思が分からない場合、医療機関では命を守るための治療が優先されることが多いそうです。しかし、救急の場面で家族が急に判断するのは、とても難しいことです。そのため、元気なうちに、どのような治療を望み、どこまでの医療を希望するのかなどを家族で話し合い、エンディングノートなどに書き残しておくことの大切さが共有されました。
また、「食べられなくなったら延命は望まない」と意思表示をしていた方の事例も紹介されました。ただし、医療者は安全を第一に考える立場でもあるため、判断には慎重さが必要であることも確認されました。
☕難聴と認知症との関係
・難聴が認知症の重要なリスクのひとつであるという話題が挙がりました。当センターより補聴器を使うことで発症率の低下や、発症後の進行を抑えられるというデータを紹介し、物忘れ外来でも早期の使用を推奨していることをお伝えしました。参加者の方からも、補聴器の相談窓口に関する情報や「慣れるまでは大変だったけれど、今は快適」という体験談が共有されました。
参考資料(外部リンク)
・補聴器を使用すると認知機能低下を予防できる?【認知症予防】| 国立長寿医療研究センター
・プレスリリース「認知症のリスクとなり得る聴力レベルを解明-どのくらいの聴力から認知症予防として補聴器を始めた方が良いか-」|慶應義塾大学医学部
>認知症センター/認知症疾患医療センター
こんにちは。オレンジカフェスタッフです。2025年度、第10回目のオレンジカフェを会場とオンライン(zoom)で開催しました。
先月に引き続き、当日のお話から、参加できなかった皆さまにご紹介します。
☕認知症の症状進行と段階別の介護課題
今回は、認知症の「中期」と呼ばれる時期の特徴についてお話がありました。
・中期は記憶力などは低下してきますが、身体能力は比較的保たれている時期です。そのため、「自分ではできると思っていること」と「実際には難しくなっていること」のズレが生じやすく、混乱や不安が強まることがあります。徘徊や異食といった行動・心理症状(BPSD)が現れやすい時期であることが話合われ、理解を深めました。
・一方で、症状の重さと介護の大変さは必ずしも一致するわけではありません。初期の段階でも、不安により頻繁な確認行動が見られるなど、それぞれの段階での困難さがあることも共有しました。この時期を「まだできることが残っている元気な時期」と前向きにとらえることで、介護する側の気持ちが少し楽になることもある、という意見も共有されました。
・当院の医師からは、病期の区分はお薬の調整の目安にはなるものの、数字や分類だけでその人の状態をすべて判断できるわけではない、という説明もありました。
☕若年性認知症と早い段階での相談の大切さ
参加者から「50代で認知症と診断された知人が、支援サービスを利用することに抵抗を感じている」という話が紹介され、若年性認知症ならではの課題や支援の大切さについて意見を交わしました。
「オレンジカフェ」は70代や80代の方が中心というイメージを持たれがちですが、若い世代の方にもご参加いただける場です。早い段階で専門の相談窓口へつながることのメリットが挙げられました。若年性認知症の場合、仕事や家計、子育てなど、生活上の悩みも大きくなりますが、早い段階から利用できる制度や支援もたくさんあります。また、「おせっかいになるかもしれないけれど、本人だけでは見つけにくい支援につなぐことが、本人にとってもそのご家族にとっても大きな助けになる」という意見も出ました。早めに相談先とつながっておくことの大切さが、改めてスタッフからも確認されました。
☕終末期医療について考える
認知症が進んだときの医療の選択についても話題になりました。
例えば、誤嚥性肺炎を起こした場合、点滴や管から栄養を入れる治療を行うかどうかという問題があります。
本人の意思が分からない場合、医療機関では命を守るための治療が優先されることが多いそうです。しかし、救急の場面で家族が急に判断するのは、とても難しいことです。そのため、元気なうちに、どのような治療を望み、どこまでの医療を希望するのかなどを家族で話し合い、エンディングノートなどに書き残しておくことの大切さが共有されました。
また、「食べられなくなったら延命は望まない」と意思表示をしていた方の事例も紹介されました。ただし、医療者は安全を第一に考える立場でもあるため、判断には慎重さが必要であることも確認されました。
☕難聴と認知症との関係
・難聴が認知症の重要なリスクのひとつであるという話題が挙がりました。当センターより補聴器を使うことで発症率の低下や、発症後の進行を抑えられるというデータを紹介し、物忘れ外来でも早期の使用を推奨していることをお伝えしました。参加者の方からも、補聴器の相談窓口に関する情報や「慣れるまでは大変だったけれど、今は快適」という体験談が共有されました。
参考資料(外部リンク)
・補聴器を使用すると認知機能低下を予防できる?【認知症予防】| 国立長寿医療研究センター
・プレスリリース「認知症のリスクとなり得る聴力レベルを解明-どのくらいの聴力から認知症予防として補聴器を始めた方が良いか-」|慶應義塾大学医学部
>認知症センター/認知症疾患医療センター