NCNP病院

コラムとニュース columns and news

コラムとニュース columns and news

オレンジカフェ

<オレンジカフェ> 振り返り No.11

2021年11月24日(水) 実施

こんにちは。オレンジカフェの松井です。緊 急事態宣言が解除されたため、11月は会場 とオンライン(zoom)の同時開催を行いました。 先月に引き続き、話し合われた内容につきま して、参加できなかった皆さまにもご紹介して いこうと思っております。
☕終末期の誤嚥による事故
東京都の介護施設で起こる年間の死亡事故は700件。うち最多の403件が誤嚥(食べ物などと一緒に細菌が気道に入って発症する誤嚥性肺炎〈30件〉を含む)・窒息の関連が占めている。窒息事故による死亡事故は60代以降に急激に増加し、80代後半になると死亡率(人口10万人あたりの死亡者数)は80人近くに達する。
最終段階での食事としては、ガーゼに水分を湿らせて、唇を濡らす程度のものであったり、また、経済的には無駄と思われるような「食事を置いて、そっと下げる」だけのようなことでも人としての尊厳は守られる。
また、終末期の窒息の原因としてお寿司や飲み薬が多く、 飲み薬に関しては、座薬、貼り薬、点滴、注射などを選択してもらうことも必要になってくるようである。


☕終末期について
終末期とは、老衰や病気が原因で 数週間~数日以内に死を迎えるだろうと予想されている時期のことで、医師、 家族、本人、介護事業者の間で死の受け入れについて話し合いができていることが前提となる。
本人がすでに判断ができない状態の場合には元気だった時の本人の発言や、本人が事前に用意しておいた 「リビング・ウィル」を根拠に家族が代理で「終末期医療に関する同意書」などに署名することになる。
自ら日本尊厳死協会に加入する方もいらっしゃるが、加入しなくても普段から家族内で死についての共通認識が取れていれば良いようである。
「終末期医療に関する同意書」(俗に言う「看取りの同意書」)は、多くの医 療機関や介護施設で用意されており、 また在宅の場合はケアマネジャーが用意してれる場合もある。必要に応じて各所に相談することが望ましい。


☕医療のTV番組 (おすすめ)
「今日の健康」
●Eテレ 月曜日~木曜日 8:30~、13:35~
●総合 毎週土曜日 午前4:15~


☕living will
回復の見込みがなく、すぐにでも命の灯が消え去ろうとしているときでも、現代の医療は、生き続けることを可能にします。 人工呼吸器をつけて体内に酸素を送り込み、胃に穴をあける胃ろうを装着して栄養を摂取させる。ひとたびこれらの延命措置を始めたら、はずすことは容易ではない。 生命維持装置をはずせば死に至ることが明らかであるから、医療者が躊躇するのは当然である。
「あらゆる手段を使って生きたい」と思っている多くの方々の意思も、尊重されるべきことである。一方、チューブや機械につながれて、なお辛い闘病を強いられ、「回復の見込みがないのなら、安らかにその時を迎えたい」と思っている方々も多数い る。
リビングウイル(LW)とは、「平穏死」、「自然死」を望む方々が、自分の意思を元気なうちに記しておくことである。