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コラムとニュース columns and news

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統合失調症早期診断・治療センター(EDICS)コラム

<コラム> 第1回 統合失調症と当センターについて

 今回、このコラムのトップバッターを務めさせていただきます、精神科の吉村です。

 みなさんは、統合失調症というと、どういう印象をお持ちでしょうか?病気の名前からは症状などを想像しにくいかもしれません。以前は精神分裂病と呼ばれ、その名前から誤解を受けることが多くありました。最近は、だいぶ理解されるようになったと思いますが、まだ十分ではありません。そこでこのコラムでは、統合失調症の症状や病院での取り組みなどみなさまに役立つ情報を紹介していきたいと考えています。

 この病気は、幻聴、妄想といった目立つ症状の他にも、興味や関心が乏しくなる、記憶力、判断力が低下するなど様々な症状があり、100人に約1人の割合で罹る比較的ありふれた病気です。多くは10代後半から30代にかけての人生の中でも変化の大きい時期に症状が出始めることが多いので、患者さんの人生に大きな影響を及ぼしてしまいます。治療の目標は、患者さんそれぞれの人生や症状に合わせた「リカバリー(回復)」です。リカバリーについて詳しく知りたい方は、https://www.ncnp.go.jp/nimh/chiiki/about/recovery.htmlをご覧ください。治療は、薬物療法が中心に、精神療法、多職種による様々な支援、リハビリテーションなどが行われます。
 
 当センターでは発症後5年以内の患者さんを対象とした専門外来を運営しています。経験豊富な医師による診察や、研究所等各部門と協力し、血液、脳画像、心理検査等を用い、多角的な評価による診断や初期治療、各種研究を行っています。薬物療法を中心とした初期治療(おおよそ3か月)を提供しています。

 次回から、この病気の症状、治療、検査などについて少しずつお話していきます。
 
ネモフィラ
ネモフィラがきれいに咲いていました! @当院デイケア前 byミルク

統合失調症早期診断・治療センター(EDICS)