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眠りと目覚めのコラム

夜の過ごし方と睡眠①~夜の光が眠りに与える影響~

2026/1/9
文責:都留 あゆみ、松井 健太郎

1. はじめに

 デジタルデバイス(スマートフォンやタブレット、パソコン、ゲーム機などの電子機器)が普及し、大人だけでなく子供も、一昔前と比べると夜に眩しい光を浴びる機会が増えています。寝る前に動画を見始めると際限なくなってしまったり、ゲームがやめられなくて気づいたら夜更かししてしまったり、「楽しくて眠れない」という側面もありますが、同時に、ディスプレイからの光自体に入眠を妨げる作用もあります。今回は、光と睡眠の関係についてお話しします。
2. 夜の光と体内時計の関係

 寝る前のデジタルデバイスの使用寝る前4時間、タブレットで読書をした場合と、紙の本で読書をした場合における睡眠を比較した研究1)によると、5日間タブレットでの読書を続けると、メラトニンの分泌が抑えられ、寝つきに時間がかかり、REM睡眠が減少し、朝の覚醒度も低くなり、体内時計が1.5時間遅れたと報告されています。
一般人口を対象とした疫学研究2)では、寝る前のデジタルデバイスの使用は寝つく時間を遅くし、睡眠の質の低下と関連することが示されています。デジタルデバイスの使用頻度が高い人ほど寝る時間が遅くなり、睡眠時間も短くなるとのことで、子供や青少年に限らず、成人においてもデジタルデバイスの使用は夜型化に大きく関わる可能性があり、注意が必要です。

3. すぐにできる光の対策

 では、どのように光の対策をすれば良いのでしょうか。
 まず、寝る3時間前からは意識的に部屋の照明をやや暗めにし(表1)、暖色系の光(オレンジ色に近い光)に切り替えたり、間接照明を活用したりすると良いでしょう。デバイス側で「ナイトモード」を設定したり、ブルーライトカットのフィルムやメガネを活用したりするのも良いかもしれません。しかし、理想を言えば、夜のデジタルデバイスの使用は控え、例えばベッドにはスマートフォンは持っていかない、といった対策が望ましいでしょう。


表1 場所による明るさ(照度・ルクス)および生活行為で推奨される明るさの例
※同じ照度でも、色温度(青色や赤色)、光源からの距離・角度などで生体に与える影響は変わります。
明るさ(ルクス)
100000ルクス 晴れた日の屋外
1000-5000ルクス 曇りの日の屋外
1000ルクス 手芸・裁縫などの作業
500-1000ルクス コンビニやスーパーのレジ付近、学校の講義室
750ルクス 書斎・勉強・読書・PC作業
300-750ルクス 料理(キッチン)、学校の教室、繁華街
200-300ルクス リビング、団らん
150ルクス 階段
100ルクス 廊下(一般的な建物空間)
30-75ルクス 倉庫・非常階段(学校)
1-10ルクス 深夜の寝室・廊下
参考:JIS Z 9125 : 2023 屋内作業場の照明基準
4. おわりに

 一昔前と比べて、デジタルデバイスの使用は、より一般的となっています。照明やデジタルデバイス側の設定の工夫等、意識的に夜の光環境を整えることで、朝の目覚めや日中の調子にも変化が感じられるかもしれません。より良い睡眠のために、デジタルデバイスの適切な使用だけでなく、以前のコラムでお話ししたその他の睡眠衛生(嗜好品(アルコールタバコカフェインなど)との付き合い方や寝室環境など)も整え、生活習慣全体を見直していきましょう。


参考文献
1)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4313820/?utm_source=chatgpt.com
2)https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2831993?utm_source=chatgpt.com

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