NCNP病院

診療科目・部門 clinical department

診療科目・部門 clinical department

気分障害センター

電話番号 042-341-2711
内線 ------
受付時間 9:00
休診日 土、日、祝祭日、年末年始

診療内容・特色


うつ病や双極性障害(躁うつ病)などの気分障害における精神および身体的不調を、専門的に評価して治療に役立てます。
標準的な薬物療法やmECT(修正型電気けいれん療法)やrTMS(反復経頭蓋磁気刺激)のみならず、他の低侵襲性脳刺激や栄養療法などの先端的医療に取り組みます。また、関連する臨床研究プログラムの紹介も行っています。

栄養学的治療(栄養学的アプローチによる栄養補充や食品成分による改善)などの先端的医療(一部は臨床研究段階)に取り組みます。

気分障害には他の精神障害を合併する場合もあるため、多角的な評価および治療を行います。
疾患教育やデイケアによる復職訓練(リワーク)など、当センターの資源を適宜活用し、早期の寛解と社会復帰をめざします。

 

主な症状・対象の疾患と外来

対象の疾患と外来

気分障害専門外来

医療機関専用・WEB申込不可】
気分障害外来では、うつ病や双極性障害などの気分障害に対する診断と治療が行います。
うつ病は、持続的なゆううつ感や興味喪失、疲労感などが特徴で、双極性障害は、極端な気分の高揚と低落を繰り返すことが特徴の疾患です。
当外来では、薬物療法、心理療法、リハビリテーションなどを行い、患者さんの気分の安定と社会復帰を目指します。

スタッフ

  • 住吉 太幹(気分障害センター)
    住吉 太幹(気分障害センター) 児童・予防精神医学研究部長
    経歴
    金沢大学 1989年卒
    専門分野・資格
    精神保健指定医 日本精神神経学会精神科専門医・指導医 日本臨床精神神経薬理学会専門医・指導医
  • 吉田 寿美子(気分障害センター)
    吉田 寿美子(気分障害センター) 訪問看護ステーション施設長
    経歴
    山形大学 1987年卒
    専門分野・資格
    精神保健指定医 日本精神神経学会精神科専門医・指導医 日本医師会認定産業医



気分障害とは

うつ病や双極性障害といった気分の病気を「気分障害」といいます。

うつ病
眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといったことが続いている場合、うつ病の可能性があります。うつ病は、精神的なストレスや身体的なストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまいます。そのため普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという、悪循環が起きてしまいます。

うつ病と診断するめやすとして、次のような症状のうちいくつかが2週間以上ずっと続く、というものがあります。
ひとつひとつの症状は誰もが感じるような気分ですが、それが一日中ほぼ絶え間なく感じられ、長い期間続くようであれば、もしかしたらうつ病のサインかもしれません。
-抑うつ気分(ゆううつ、気分が重い)
-何をしても楽しくない、何にも興味がわかない、性欲がなくなる
-疲れているのに眠れない、一日中眠い、いつもよりかなり早く目覚める
-イライラして、何かにせき立てられているようで落ち着かない
-悪いことをしたように感じて自分を責める、自分には価値がないと感じる
-思考力が落ちる
-死にたくなる
-何をするにもおっくうになる
-食欲がない

双極性障害
現在うつ状態であっても、これまでに極端に調子が良くなって活発になる時期がある場合は、双極性障害(躁うつ病)かもしれません。
本当は双極性障害であるのに、特に軽い躁状態は見逃されがちです。軽い躁に気づかず、うつ病と診断を受けている人も少なくありません。
うつ病の治療をしてもなかなか治らない患者さんが実は双極性障害だったということはしばしばあります。

躁状態のサインとして、次のような症状があります。
-睡眠時間が少なくても疲れを感じない、寝なくても元気で活動を続けられる
-人の意見に耳を貸さない、態度が横暴になる
-話し続ける、お節介になる
-次々にアイデアが出てくるがそれらを組み立てて最後までやり遂げることができない
-根拠のない自信に満ちあふれる
-買い物やギャンブルに浪費する
-性的に奔放になる
-絶好調と感じている
-イライラして怒りっぽい、やたらと説教する

 

初診予約と診察に関する注意点


医療機関からのみご予約可能です。

気分障害外来(初診)は下記の曜日、時間で行っております。

月曜:9:30
金曜:10:30

-初診後の、外来通院につきましては、初診と曜日や時間が異なる場合がございます。初診時に医師とご相談下さい。
-初診時は、現在の症状やこれまでの治療歴を詳しく聞き、詳細な問診を行いますので、2~3時間程かかります。ご了承ください。
-お薬手帳をお持ちでしたらご持参下さい。
CBT(認知行動療法)を受けることが主な目的の方は、対象となりません。
 

診察の流れと治療について



①初診

-予診(臨床心理士がご相談内容、ご希望などを丁寧にお伺いします)
-診察(気分障害が専門の精神科医が診察を行います)
-採血、心電図(体の状態をチェックします)

②検査
後日各種検査を行います。

-光トポグラフィー検査(うつ病、双極性障害など精神疾患の鑑別診断補助のための検査です)
-頭部MRI(脳萎縮、脳腫瘍など脳の器質的な病気の有無を確認します)
-心理検査(記憶力、注意力などの認知機能検査や、うつ症状などの心理検査行います)

③再診

-各種検査結果、治療方針の説明
-薬物療法
-その他の治療

必要に応じて、栄養学的治療、心理教育などを行います。

栄養学的治療・・・栄養学的アプローチによる栄養補充や食品成分による改善
心理教育・・・睡眠などの心理教育を行うプログラムに参加していただきます

 

各種検査について



気分障害外来では、下記のような検査を行っています。検査の希望については、初診時に医師にご相談下さい。必ずしも、全ての検査を受ける必要はありません。また、医師の判断によっては、一部の検査を行わない場合もございます。

◆ 光トポグラフィー検査
うつ病、双極性障害、統合失調症など精神疾患の鑑別診断補助のための検査です。うつ症状のある方に、光トポグラフィー装置のプローブを頭に装着していただき、指定する頭文字から始まる単語をできるだけ多く言う課題(言語流暢性課題)を行っていただきます。検査時間は30分程度です。

◆ MRI
脳萎縮、脳腫瘍など脳の器質的な病気の有無を確認します。脳の器質的な病気のために、精神症状が生じることがあるため、詳細な脳画像検査を受けていただき、脳の器質的な病気の有無を確認します。検査時間はおおむね30分程度です。

◆ 心理検査
気分障害にかかわらず、精神疾患にかかると、記憶力、注意力などの認知機能が影響を受けることがあるといわれています。記憶力、注意力、遂行機能など、幅広い認知機能の検査を受けていただき、現在の状態を確認します。また、うつ症状などの程度を確認するための面接も行っています。検査時間はおおむね1時間程度です。

◆ 採血
体の状態をチェックします。一般的な採血の他に、甲状腺機能や感染症なども測定します。葉酸、亜鉛、フェリチンなど栄養状態を把握するための成分や、男性ホルモンも測定します。

◆ 心電図
精神科の治療薬によっては、心機能に影響を及ぼす副作用があるものがあります。診断後に薬物療法を開始する前に、心電図の検査を行う必要があります。