NCNP病院

診療科目・部門 clinical department

診療科目・部門 clinical department

多発性硬化症(MS)センター

電話番号 042-346-2190
内線 ------
受付時間 9:00~15:00
休診日 土、日、祝祭日、年末年始

神経免疫疾患の診療と研究をリードする拠点

多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)、MOG抗体関連疾患(MOGAD)などの中枢神経系炎症性脱髄疾患を中心に、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、多巣性運動ニューロパチー(MMN)、重症筋無力症(MG)などを含む幅広い神経免疫疾患に対し、高度専門診療と先進的な研究を融合した医療を提供しています。
神経免疫疾患では、早期診断と適切な治療介入が長期予後を大きく左右します。当センターでは、病院と神経研究所が密接に連携し、基礎研究からトランスレーショナル研究、臨床研究、治験までを一貫して推進することで、新規治療法の開発と高度専門医療の実践を目指しています。


診療内容・特色

早期診断・高度専門診療
多発性硬化症(MS)をはじめ、視神経脊髄炎(NMOSD)、MOG抗体関連疾患(MOGAD)などの中枢神経の炎症性疾患に加え、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、多巣性運動ニューロパチー(MMN)、重症筋無力症(MG)などの末梢神経・神経筋接合部疾患まで、神経免疫疾患を幅広く診療しています。
これらの疾患は早期診断と適切な治療介入が予後を大きく左右します。当センターでは脳神経内科を中心に多職種が連携し、最新のMRI評価、自己抗体検査、髄液検査などを活用し専門的かつ包括的な診療体制のもと、再発予防および進行抑制を目標とした診療を行っています。再発時には迅速な対応を行い、外来ステロイドパルス療法、血液浄化療法、分子標的治療、免疫抑制療法など、多様な治療選択肢を提供しています。患者さん一人ひとりの病態に応じた最適な治療戦略を提案し、実践しています。

研究と診療の融合
MSセンターでは、多部門の医師・研究者による診療カンファレンス、研究セミナー、国際的研究者を招いた講演会などを定期開催し、診療と研究を融合した神経免疫医療を推進しています。
神経研究所免疫研究部との連携により、免疫細胞解析やバイオマーカー研究を進め、その成果を診療へ迅速に還元する体制を構築しています。

Precision Medicineへの取り組み
神経免疫疾患は病態や治療反応性に個人差が大きく、個別化医療(precision medicine)が重要です。
当センターでは、免疫細胞解析、バイオマーカー研究、腸内細菌叢研究などを通じて、患者さん一人ひとりに最適化された治療戦略の構築を目指しています。

医師主導治験・新規治療開発
MSセンターでは、企業治験に加え、医師主導治験・特定臨床研究を積極的に推進しています。
MSに対する新規免疫調節薬OCH、NMOSD医療最適化研究(JANMOS)、ME/CFSに対するリツキシマブ医師主導治験など、新たな神経免疫医療の創出に取り組んでいます。

情報発信と社会連携
患者さん・ご家族・医療従事者向け講演会、市民公開講座、患者会との連携活動を通じて、神経免疫疾患に関する正確な医療情報の発信にも取り組んでいます。
※市民公開講座については開催時期に公式ホームページでお知らせ致します。

全国からの紹介・セカンドオピニオン
全国各地から紹介患者・セカンドオピニオンを受け入れ、診断困難例や治療抵抗性症例にも対応しています。診断や治療方針提示後、紹介元医療機関への逆紹介にも対応しています。

幅広い神経免疫疾患に対応
MS、NMOSD、MOGADに加え、CIDP、MMN、MGなどの関連神経免疫疾患に対しても専門診療を行っています。中枢神経・末梢神経・神経筋接合部疾患を横断的に診療し、専門的評価と個別化治療を提供しています。


主な対象疾患

中枢神経系神経免疫疾患
•多発性硬化症(MS) 
•視神経脊髄炎(NMOSD) 
•MOG抗体関連疾患(MOGAD) 
•自己免疫性脳炎 

末梢神経・神経筋接合部疾患
•慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP) 
•多巣性運動ニューロパチー(MMN)
•重症筋無力症(MG) 
•その他関連神経免疫疾患
 

主な症状・対象の疾患と外来

対象の疾患と外来

多発性硬化症(MS)センター専門外来

医療機関専用・WEB申込不可】
多発性硬化症(MS)および関連する中枢神経免疫疾患に対し、診断、疾患活動性評価、再発予防に加え、長期的な視点に立った治療を行っています。
薬物療法、リハビリテーション、心理的支援を含めた包括的医療を提供し、患者さんの生活の質(QOL)の向上を目指します。
詳しくは、多発性硬化症(MS)センター

スタッフ

  • 山村 隆(多発性硬化症センター)
    山村 隆(多発性硬化症センター) 神経研究所 免疫研究部 医師
    経歴
    1980年 京都大学卒
    専門分野・資格
    神経内科専門医 認定内科医/多発性硬化症 視神経脊髄炎 神経免疫学 臨床免疫学
  • 岡本 智子(多発性硬化症センター)
    岡本 智子(多発性硬化症センター) センター長・脳神経内科副部長
    経歴
    滋賀医科大学 1989年卒
    専門分野・資格
    神経内科専門医 認定内科医 神経免疫診療認定医 日本臨床免疫学会免疫療法認定医 / 神経免疫性疾患 末梢神経疾患 神経生理学
  • 林 幼偉(多発性硬化症センター)
    林 幼偉(多発性硬化症センター) 脳神経内科医師
    経歴
    京都大学 1996年卒
    専門分野・資格
    神経内科専門医 認定内科医 神経免疫診療認定医 日本アフェレシス学会認定専門医 / 神経免疫性疾患 血液浄化療法 免疫学
  • 佐藤 和貴郎(多発性硬化症センター)
    佐藤 和貴郎(多発性硬化症センター) TMC開発戦略室長 医師
    経歴
    神戸大学 2000年卒
    専門分野・資格
    神経内科専門医 認定内科医 日本神経免疫学会神経免疫診療認定医/神経内科学 神経免疫学 臨床免疫学
  • 勝元 敦子(多発性硬化症センター)
    勝元 敦子(多発性硬化症センター) 脳神経内科医長
    経歴
    宮崎大学 2005年卒
    専門分野・資格
    神経内科専門医 総合内科専門医 神経免疫診療認定医 日本認知症学会専門医 / 神経免疫疾患 認知症 慢性疼痛
  • 雑賀 玲子(多発性硬化症センター)
    雑賀 玲子(多発性硬化症センター) 脳神経内科医師
    経歴
    島根大学 2006年卒
    専門分野・資格
    神経内科専門医 総合内科専門医 日本認知症学会専門医 / 神経免疫性疾患 認知症
  • 佐藤 典子(多発性硬化症センター)
    佐藤 典子(多発性硬化症センター) 放射線診療部長
    経歴
    群馬大医 1987年卒
    専門分野・資格
    神経放射線/放射線科専門医、第一種放射線取扱主任者、PET核医学認定医
  • 野田 隆政(多発性硬化症センター)
    野田 隆政(多発性硬化症センター) 精神診療部長、臨床心理部長
    経歴
    山梨医科大学 2001年卒
    専門分野・資格
    精神保健指定医 精神保健判定医 日本精神神経学会精神科専門医・指導医 日本臨床薬理学会特別指導医
  • 齋藤 貴志(多発性硬化症センター)
    齋藤 貴志(多発性硬化症センター) 脳神経小児科診療部副部長
    経歴
    筑波大医 1999年卒
    専門分野・資格
    小児神経専門医、日本てんかん学会専門医・指導医

MSセンター構成メンバー

部門(病院) 氏名
脳神経内科 岡本智子、林幼偉、勝元敦子、雑賀玲子
脳神経小児科 齋藤貴志
精神科 野田隆政
放射線診療部 佐藤典子
 
部門(研究所) 氏名
神経研究所 山村隆、大木伸司、Ben Raveney、木村敦子、山口広美、Shanthappa Manu Mallahalli、松岡貴子、金澤智美、竹脇大貴、天野永一朗、堀内碧、荒武由利子
トランスレーショナルメディカルセンター 佐藤和貴郎


多発性硬化症(MS)および視神経脊髄炎(NMOSD)を中心に、500名を超える定期通院患者さんの診療を行っています。診断困難例や治療抵抗性症例、セカンドオピニオンにも対応し、全国から多くの患者さんをご紹介いただいています。また、急性期治療や難治例に対する血液浄化療法にも積極的に取り組み、日帰り入院を含め年間1200件以上の血液浄化療法を実施しています。

疾患修飾薬の導入実績や実施中あるいはこれまでに実施した臨床治験は下記の通りです。

主な神経免疫治療 使用経験数(延べ症例数)
当センターでは、MSおよびNMOSDをはじめとする神経免疫疾患に対し、従来型疾患修飾薬から最新の分子標的治療まで幅広い治療経験を有しています。
多発性硬化症(MS)
疾患修飾薬 商品名 導入患者数(人)
インターフェロンβ アボネックス®
ベタフェロン®
160
グラチラマー酢酸塩 コパキソン® 151
フィンゴリモド ジレニア®
イムセラ®
100
ナタリズマブ タイサブリ® 113
フマル酸ジメチル テクフィデラ® 266
シポニモドフマル酸塩 メーゼント® 56
オファツムマブ ケシンプタ® 345

(2026年4月30日現在)

視神経脊髄炎(NMOSD)
当センターでは、約100名のNMOSD患者に対し、生物学的製剤(サトラリズマブ、ラブリズマブ、イネビリズマブなど)を用いた治療を行っています。

主な臨床治験・臨床研究
薬剤名 試験名 対象疾患
Frexalimab 多発性硬化症の成人患者を対象としたfrexalimabの皮下投与の薬物動態、安全性及び有効性を静脈内投与と比較検討するランダム化、第III相、非盲検試験 多発性硬化症
Ravulizumab サトラリズマブで効果不十分な視神経脊髄炎スペクトラム障害患者に対するラブリズマブへの切り替え研究 -リアルワールドでのラブリズマブの有効性と安全性の評価 視神経脊髄炎
Frexalimab 再発型多発性硬化症の成人患者を対象とした frexalimab(SAR441344)の有効性及び安全性を teriflunomide と比較する2つの独立したランダム化、二重盲検、第Ⅲ相試験のマスタープロトコル 多発性硬化症
Frexalimab 再発を伴わない二次性進行型多発性硬化症の成人患者を対象としたfrexalimab(SAR441344)の有効性及び安全性をプラセボと比較するランダム化、二重盲検、第III相試験 多発性硬化症
Riliprubart

慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーを有する被験者を対象に、riliprubartの有効性及び安全性を免疫グロブリン(IVIg)静脈内投与と比較評価する第III相、ランダム化、二重盲検試験

慢性炎症性脱髄性多発神経炎
Riliprubart 難治性慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー患者を対象としたriliprubartの有効性及び安全性を評価する第III相、二重盲検、プラセボ対照試験 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
IVIG(KD-380) KD-380 第III相試験 慢性炎症性脱髄性多発神経炎/多巣性運動ニューロパチー
Rituximab 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)に対するリツキシマブ(遺伝子組換え)の有効性及び安全性を探索的に検討するプラセボを対照とする二重盲検試験(第II相試験) 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群
Nipocalimab 成人の慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)患者を対象にNipocalimab の有効性及び安全性を評価する第2/3 相,多段階,多施設共同,ランダム化,二重盲検,プラセボ対照並行群間中止試験 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
Remibrutinib 再発性の多発性硬化症患者を対象にremibrutinibの有効性及び安全性をteriflunomideを比較対照に評価する,ランダム化,二重盲検,ダブルダミー,並行群間比較試験,並びに,非盲検でremibrutinibを投与する継続投与試験 多発性硬化症
fSCIG 日本人慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)患者及び多巣性運動ニューロパチー(MMN)患者を対象としたTAK-771の維持療法における有効性、安全性及び忍容性を評価する第3相試験 慢性炎症性脱髄性多発神経炎/多巣性運動ニューロパチー
Rozanolixizumab 抗ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG)抗体関連疾患(MOG-AD)の成人患者を対象としたrozanolixizumabの有効性及び安全性を評価する第3相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同、ピボタル試験及び非盲検継続試験 抗MOG抗体関連疾患
Efgartigimod PH20 SC 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)患者を対象としたEfgartigimod PH20 SCの長期安全性、忍容性及び有効性を評価するARGX-113-1802試験の非盲検延長試験 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
Ofatumumab 再発性の多発性硬化症患者を対象に,オファツムマブ投与における長期安全性,忍容性,及び有効性を評価する非盲検,単一群,多施設共同継続投与試験 多発性硬化症
 


このような患者さんをご紹介ください

●多発性硬化症(MS)、視神経脊髄炎(NMOSD)、MOG抗体関連疾患(MOGAD)が疑われるが診断が確定していない方
●慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、多巣性運動ニューロパチー(MMN)などの末梢神経障害が疑われる、または診断・治療に難渋している方
●重症筋無力症(MG)の診断・治療方針について専門的判断が必要な方
●再発を繰り返す、または治療方針の見直しが必要な方
●免疫治療(ステロイド治療、免疫グロブリン治療、血液浄化療法、生物学的製剤など)の導入や切り替えを検討している方
●進行や後遺症の評価、長期的な治療戦略の検討が必要な方
●臨床研究・治験への参加を希望される方