多発性硬化症(MS)センター
| 電話番号 | 042-341-2711 |
|---|---|
| 内線 | ------ |
| 受付時間 | 9:00 |
|---|---|
| 休診日 | 土曜日、日曜日 |
特色
多発性硬化症(MS)および視神経脊髄炎(NMO)は厚生労働省の指定する特定疾患で、日本国内の患者数は約2万人と推定されています。MS、NMOは代表的な神経難病ですが、研究の進歩は著しく、治療法も格段に進歩しています。
MSセンターでは、脳神経内科、精神科、放射線科、内科、脳神経小児科の医師と、免疫学や神経科学の研究者が連携して、世界の医療を変えるような情報を発信することをモットーに、国際的に認知される成果を出し続けることを使命としています。代表例は、NMOに対する抗IL-6受容体抗体治療の開発で、論文は2019年に医学会の最高峰ニューイングランド医学雑誌に掲載されました。また最近では、英国の医学雑誌ランセットで、MSの新たな分類に関する提言も行っております。新薬の医師主導治験も積極的に進め、内外から注目を集めているのが当センターです。
NCNPは、MSの研究や臨床で日本を代表する人材をこれまでにも多数教育していますが、さらに力を入れていきたいと考えています。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
診療内容
MS再発や増悪時などの急性期治療はより早期かつ適切に行うことが重要です。患者さんの生活の質を上げるために、入院治療だけでなく外来通院でのステロイドパルス療法を行っています。また、血液浄化療法も積極的に行っております。
再発も症状進行もMRI画像上の悪化もない状態(No evidence of disease activity-3:NEDA-3)の維持を目標にして、国内承認薬の効果を最大限に引き出す治療を心がけています。また難治例に対して、神経研究所免疫研究部との連携により、新たな薬剤を開発する研究も進めています。
また、精神症状や痛み・しびれなどの治療実績があります。新薬の臨床治験にも積極的に取り組み、MSと近い関係にある視神経脊髄炎(NMO)やMOG抗体関連疾患(MOGAD)、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、さらには筋痛性脳脊髄炎(ME/CFS)の診療の診療にも力を入れています。
主な症状・対象の疾患と外来
対象の疾患と外来
多発性硬化症(MS)センター専門外来
【医療機関専用・WEB申込不可】
多発性硬化症は、中枢神経系に影響を与える自己免疫疾患で、様々な神経症状を引き起こします。
当センターでは、薬物療法、リハビリテーション、心理的支援が提供され、患者さまの症状の管理と生活の質の向上を図ります。
多発性硬化症と視神経脊髄炎を合わせ、500~600名の定期通院患者を診療しています。また、年間およそ100名の外来新患やセカンドオピニオンと約300名の入院患者を診療しています。急性期治療や難治例に対する維持治療として、血液浄化療法の施行に力を入れ、日帰り入院での実施も含め、2021年度は年間約1200件(約半数は日帰り入院)実施しました。
疾患修飾薬の導入実績や実施中あるいはこれまでに実施した臨床治験は下記の通りです。
疾患修飾薬の導入実績
NCNPの免疫研究部の研究者は、筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群(ME・CFS)の神経免疫疾患としての側面に焦点を当てた研究を継続してまいりました。
内外の研究成果に基づき、さまざまな難治疾患で適用が確立している、B細胞を標的とする医薬 Rituximab(抗CD20モノクローナル抗体)のME・CFSにおける安全性と有効性を検証する医師主導治験の実現可能性を検討してきましたが、この度、NCNPのIRBで我々の提案する治験プロトコルが承認されました。
まだ調整が必要な事項はありますが、治験を進めるために準備を進めて参りますのでよろしくお願い致します。
なお申し訳ありませんが、個別のご質問にはお答えできないことをご理解いただければ幸いです。
疾患修飾薬の導入実績や実施中あるいはこれまでに実施した臨床治験は下記の通りです。
疾患修飾薬の導入実績
| 疾患修飾薬 | 商品名 | 導入患者数 |
|---|---|---|
| インターフェロンβ | ベタフェロン® アボネックス® |
160人 |
| グラチラマー酢酸塩 | コパキソン® | 150人 |
| フィンゴリモド | ジレニア® イムセラ® |
99人 |
| ナタリズマブ | タイサブリ® | 88人 |
| フマル酸ジメチル | テクフィデラ® | 212人 |
| シポニモドフマル酸塩 | メーゼント | 54人 |
| オファツムマブ | ケシンプタ | 148人 |
(2022年12月現在)
これまで実施した臨床治験(赤は現在進行中)| 省略名 | 試験名 | 対象疾患 |
|---|---|---|
| ナタリズマブ皮下注射製剤 | 日本人の再発寛解型多発性硬化症患者を対象にナタリズマブ(BG00002)を反復皮下投与したときの有効性、安全性、薬物動態及び薬力学を評価する非盲検単群第Ⅲ相試験 | 多発性硬化症 |
| フマル酸ジロキシメル | アジア太平洋地域の再発型多発性硬化症患者を対象にDiroximelFumarate(BIIB098)の安全性、忍容性及び薬物動態を評価する多施設共同盲検単郡第Ⅲ相試験 | 多発性硬化症 |
| BTK阻害薬 | 再発型多発性硬化症患者を対象としたSAR442168と | 多発性硬化症 |
| Efgartigimod PH皮下注射製剤 | 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)成人患者を対象としたEfgartigimod PH20SCの有効性、安全性及び忍容性を評価する第2相臨床試験 | CIDP |
| TAK771皮下注射製剤 |
日本人慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)患者及び多層性運動ニューロパチー(NMN)患者を対象としたTAK-771の維持療法における有効性、安全性、及び忍容性を評価する第Ⅲ総試験 |
CIDP/MMN |
| OCH | 健康成人及び多発性硬化症患者を対象とした免疫修飾薬OCH-NCNP1の早期探索的臨床試験 | 多発性硬化症 |
| タイサブリ® | 日本人の再発寛解型多発性硬化症患者を対象としたBG00002の安全性及び有効性を評価する多施設共同非盲検長期継続投与試験 | 多発性硬化症 |
| コパキソン® | Copolymer 1の再発寛解型多発性硬化症(RRMS)に対する第Ⅳ相試験 | 多発性硬化症 |
| BG-12 テクフィデラ® | アジア地域及び他の国々の再発寛解型多発性硬化症患者を対象にBG00012 の有効性及び安全性を評価する多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験 | 多発性硬化症 |
| NPB-01(献血グロベニンI) | ステロイドパルス療法により十分な治療効果が得られなかった抗アクアポリン4抗体陽性の視神経脊髄炎関連疾患患者を対象としたNPB-01の前期第Ⅱ相探索試験(パイロット試験) | 視神経脊髄炎 |
| ファンピリジン | 日本人多発性硬化症患者を対象に、Fampridine-PR(BIIB041)を経口投与した際の安全性及び有効性を評価する多施設共同二重盲検プラセボ対照並行群間試験及び安全性を評価する非盲検延長試験 | 多発性硬化症 |
| SA237 | 視神経脊髄炎(NMO)及びNMO関連疾患(NMOSD)患者に対して、SA237をベースライン治療に上乗せ投与した際の有効性及び安全性を評価する多施設共同第Ⅲ相ランダム化二重盲検プラセボ対照比較試験 | 視神経脊髄炎 |
| BAF | 二次進行型多発性硬化症患者を対象にSiponimod(BAF312)の有効性及び安全性を評価する多施設共同、ランダム化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照、可変投与期間試験 | 多発性硬化症 |
| エクリズマブ | 再発性視神経脊髄炎(NMO)患者に対するエクリズマブの安全性と有効性を評価するためのランダム化、プラセボ対照、二重盲検、多施設共同臨床試験 | 視神経脊髄炎 |
<お知らせ>
NCNPの免疫研究部の研究者は、筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群(ME・CFS)の神経免疫疾患としての側面に焦点を当てた研究を継続してまいりました。
内外の研究成果に基づき、さまざまな難治疾患で適用が確立している、B細胞を標的とする医薬 Rituximab(抗CD20モノクローナル抗体)のME・CFSにおける安全性と有効性を検証する医師主導治験の実現可能性を検討してきましたが、この度、NCNPのIRBで我々の提案する治験プロトコルが承認されました。
まだ調整が必要な事項はありますが、治験を進めるために準備を進めて参りますのでよろしくお願い致します。
なお申し訳ありませんが、個別のご質問にはお答えできないことをご理解いただければ幸いです。