NCNP病院

診療科目・部門 clinical department

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ニューロモデュレーションセンター(NMC)

電話番号 042-346-2190
内線 ------
受付時間 9:00 〜 11:00 / 13:00 〜 15:00
休診日 土、日、祝祭日、年末年始

特色


ニューロモデュレーションセンターは、電気や磁気によって神経の働きを調整(モデュレート)する治療法の専門家が集まった専門的治療・研究開発を行うセンターです。「診療・臨床研究」と「基礎研究・新規治療開発」に役割が分かれています。「診療・臨床研究」は、病院(精神科、脳神経内科、脳神経外科、整形外科、身体リハビリテーション科、臨床研究・教育・研修部門)のスタッフが、「基礎研究・新規治療開発」は、精神保健研究所、神経研究所、脳病態統合イメージングセンター(IBIC)、認知行動療法(CBT)センターの研究者が担い、互いに連携することで基礎研究から臨床応用まで一気通貫に研究・開発を推進し、患者さん一人一人に合わせた高度な医療を提供することを目指す、オールNCNPの新しい専門疾病センターです。



ニューロモデレーションとは


ニューロモデュレーションとは、電気や磁気、薬剤などによって神経を刺激することで、神経の働きを調整(モデュレート)する治療法です。刺激方法、刺激部位によって様々な効果が期待できるため、対象となる疾患、症状は多岐に渡ります。薬物療法で寛解に至らない、あるいは症状が遷延する精神疾患や神経疾患を有する患者さんへの新しい治療法として、世界中で研究開発が行われている領域です。電気や磁気というと、やや不安に感じる方もいらっしゃると思いますが、もともと、脳も心臓と同じく電気生理学的な器官です。心電図を記録し、電気生理学的アプローチで治療をするように、脳も脳波を記録し、ニューロモデュレーション療法で症状を緩和することは理にかなっていると言えます。

ニューロモデュレーションセンターでは、高度・専門医療を提供し、基礎・臨床研究を推進させるほか、この領域をリードする人材育成を目指しています。

● 精神疾患への保険診療のニューロモデュレーション療法
うつ病、双極性障害、統合失調症に対して修正型電気けいれん療法(mECT)を実施しています。薬物療法が奏効しないうつ病に対して反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)療法を実施しています。

● 精神疾患への研究段階のニューロモデュレーション療法
シータバースト刺激(TBS)、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)、磁気けいれん療法(MST)などを臨床研究として実施しています。また、うつ病対象とした維持rTMS療法や、双極性障害抑うつエピソードを対象としたrTMSを先進医療Bで実施しています。

● 神経疾患のニューロモデュレーション療法
脳神経外科では、パーキンソン病やジストニア、本態性振戦に対して国内の中核的な医療機関として脳深部刺激療法(DBS)のための手術や迷走神経刺激(VNS)装置埋込術を実施しています。
整形外科では脊髄刺激療法(SCS)、バクロフェン持続髄腔内投与療法(ITB)を実施しています。

 

実施している治療・臨床研究


当センターでは、以下の治療や臨床研究を行っています。
 
治療法 対象疾患
反復経頭蓋磁気刺激(rTMS) うつ病(保険診療、研究)、うつ病への維持TMS療法(先進医療B)、双極性障害(先進医療B)、強迫性障害(臨床研究)
修正型電気けいれん療法(mECT) 統合失調症・うつ病・双極性障害(保険診療)
磁気けいれん療法(MST) うつ病(臨床研究)・双極性障害(臨床研究)
経頭蓋直流刺激(tDCS) 統合失調症(臨床研究)・うつ病(臨床研究)
脳深部刺激(DBS) パーキンソン病・本態性振戦・ジストニア
迷走神経刺激(VNS) 難治性てんかん
脊髄刺激法(SCS) 慢性難治性疼痛
バクロフェン髄注療法(ITB) 脳脊髄疾患に由来する重度の痙性麻痺
プリズム適応療法 脳卒中や脳外傷による反側空間無視(臨床研究)
ブレインマシンインターフェイス(BMI) パーキンソン病(臨床研究)・脳卒中(臨床研究)



● 反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)

コイルに電流を流したときに発生する磁場の変化によって生じる過電流で生体を刺激する技術です。規則的な刺激を繰り返し行う方法として反復経頭蓋磁気刺激療法(repetitive transcranial magnetic stimulation:rTMS)があり、本邦では2017年9月に、治療抵抗性のうつ病の治療機器が承認されました。保険診療で行っているものと、臨床研究で行っているものがあります。

【対象疾患・症状】
 ・うつ病(保険診療、研究)
 ・うつ病の維持療法(先進医療B)
 ・双極性障害(先進医療B)
 ・強迫性障害(研究)

rTMS療法に対するさまざまなアンメット・メディカル・ニーズに応えるために、私たちはパイロット研究でデータを集め、有効性が確認できたら、次のステップとして先進医療の申請を行い、通常の診療と一緒にrTMS療法を多数の医療機関で実施できるような体制を整え、最終的には保険収載を目指しています。

関連リンク:rTMS外来、プレスリリース(2022年5月13日、2023年9月14日)

● 修正型電気けいれん療法(mECT)

電気的刺激により脳に全般性発作を誘発し,主として気分障害や統合失調症などの精神症状の改善を図る治療法です。1938年にイタリアで初めて報告された長い歴史がありますが、現在までに全身麻酔や筋弛緩薬を使用した修正型ECTの導入、パルス波治療機の開発により安全性が大きく向上したため、高齢者へも安全にECTが実施できます。高い治療効果から、80年以上経過した現在においても緊急性の高い状態や治療抵抗性などはECTの適応となります。本邦では1年間に9万回弱の治療が実施されています。

【対象疾患・症状】
 ・うつ病(保険診療)
 ・双極性障害(保険診療)
 ・統合失調症(保険診療)

関連リンク:ECT専門外来

● 磁気けいれん療法(MST)

磁気けいれん療法(MST)は,反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)を応用した新しい治療技術です。MSTでは発作後の回復が早く,認知機能障害が少ないとされています。


【対象疾患・症状】
 ・うつ病(研究)
 

● 経頭蓋直流刺激(tDCS)

tDCSは頭皮上に2つのスポンジ電極を置き、1-2 mA程度の微弱な電流を流す低侵襲性脳刺激法で、神経伝達物質の調整など脳の神経活動を調整する治療法です。1回あたりの刺激時間は30分以内と比較的短く、麻酔の必要がなく、副作用のリスクが低いという利点があります。うつ症状の改善、統合失調症の幻覚・妄想や認知機能障害、社会認知機能障害、そして、運動機能障害のリハビリテーションなどへの効果が報告されています。臨床研究を積極的に実施しています。

【対象疾患・症状】
 ・統合失調症(研究)
 ・うつ病(研究)


関連リンク:プレスリリース(2018年5月21日)


 
● 脳深部刺激療法(DBS) 

機能異常をきたしている中枢神経系疾患に対して、脳内に細い電極を植え込み、標的を電気刺激することにより、異常な神経活動を制御する治療法です。パーキンソン病や本態性振戦、ジストニアの症状を抑えることに有効な治療法で、日本では2000年4月に保険適用となりました。
この治療の特徴は、①刺激条件や刺激部位を変更することで、症状の変化に合わせた調整が可能である、②刺激による副作用を軽減させることができる、③刺激を中止することで、元の状態に戻すことが可能である、④刺激部位の組織にほとんど損傷をきたさないこと、が挙げられます。
また、近年では機械の進歩によって、電気刺激の方向を調節したり、脳活動を記録したりすることも可能になり、より副作用の少ない治療が実現されています。
国際的には、重度のトゥレット症候群(チック)や強迫性障害、うつ病、てんかんの治療にも応用が試みられています。


【対象疾患・症状】
 ・パーキンソン病
 ・振戦
 ・ジストニア
 ・トゥレット症候群(研究)
 ・うつ病(研究)
 ・強迫性障害(研究)
 ・てんかん(研究)

関連リンク:脳神経外科(DBS・定位手術)

● 迷走神経刺激療法(VNS)

難治性てんかんの方を対象とした治療法で、植込み型の電気刺激装置を用いて左頸部の迷走神経に電気刺激を与え、てんかん発作の回数を減らしたり、発作の程度を軽くしたりしようとするものです。あくまで緩和的ではありますが、脳や身体への負担が少ない、刺激をやめれば元の状態に戻せる、といったメリットがあります。日本では2010年7月から保険診療での施行が可能となりました。
国際的には、重度の抑うつ症状や頭痛に対する治療としても研究が進められています。

【対象疾患・症状】
 ・難治性てんかん
 ・抑うつ(研究)

● 脊髄刺激法(SCS)

お薬などで痛みの治療に効果が得られない神経障害性疼痛に有効です。脊髄に微弱な電気を流すことで痛みを和らげることができます。完全に痛みを消失させることは困難ですが、痛みが和らぐことで、日常生活や仕事がしやすくなる、満足のいく生活を過ごしていただくことが可能となります。
この方法はこれまで行ってきた手術と比較しても、①身体や骨への負担が軽減される、②試験刺激により、SCSを行う前にご本人様がその効果を確認できる、③刺激装置と電極は抜去が可能な為、可逆性(取ったら元に戻る)がある、といった利点が挙げられます。
国内では1992年より保険適応で治療を行うことが可能になりました。

【対象疾患・症状】
 ・神経障害性疼痛
 ・疼痛

● プリズム適応療法

視野を右に偏らせるプリズム眼鏡をかけた状態で,患者様にテーブル上前方に印された目標点に指差し運動を数十回行う方法です。繰り返し行うことでシフトした視覚に到達運動を順応させ,プリズム眼鏡をはずした後でも症状の改善が認められるというものです。

【対象疾患・症状】
・脳卒中や脳外傷による半側空間無視

● ブレインマシンインターフェイス(BMI)

脳波でコンピューターを動かしたり、反対にコンピューターから神経に直接刺激を送ることで、人に五感を与える技術や機器のことを指します。体が不自由な人のコミュニケーションデバイスとしての期待が高く、社会実装に向けた技術開発が進んでいます。

【対象疾患・症状】
・パーキンソン病
・脳卒中

診療実績

 

精神科

  2024年 2023年 2022年
mECT 963 686 955
rTMS (うつ病への保険診療) 722 473 253
rTMS(双極性障害への先進医療) 267 217 20

 

脳神経外科

  2021年 2020年 2019年 2018年 2017年
DBS植込術 7 6 17 9 6
VNS植込術 5 10 6 10 5
植込術ジェネレータ植込・交換術 23 15 32 31 24

 

身体リハビリテーション科

痙縮外来 92名
ボツリヌス療法 49件
プリズム療法入院 1件
 

専門外来・予約方法


診察日・時間

▽初診は、下記の時間で行っています。
 
 
午前

DBS外来(脳神経外科 木村)
痙縮外来(身体リハビリテーション科)
ECT/rTMS(精神科 野田)
脳卒中外来(身体リハビリテーション科)

主な症状・対象の疾患と外来

対象の疾患と外来

mECT/rTMS専門外来

医療機関専用・WEB申込不可】
ECT(電気けいれん療法)やrTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法)を用いて、うつ病や双極症、統合失調症への治療を提供いたします。これら電気や磁気を用いて脳の活動を調整し、症状を改善する治療法をニューロモデュレーション療法と呼んでいます。治療抵抗性うつ病に対するrTMS(急性期治療)は、保険診療として実施しており、日本精神神経学会による適正使用指針に準拠して1日約40分、週5日間を3~6週行います。
当院では、保険診療によるrTMSの他にも、先進医療や臨床研究としてニューロモデュレーション療法を提供するなど積極的に活動しています。詳しくは、ニューロモデュレーションセンターの説明をご参照ください。※医療機関の精神科医からのご紹介が必要です。

スタッフ

  • 髙橋 祐二(NMC)脳神経内科診療部長 ゲノム診療部長
    髙橋 祐二(NMC)脳神経内科診療部長 ゲノム診療部長 特命副院長
    経歴
    東京大学 1994年卒(医学博士)
    専門分野・資格
    日本神経学会理事 神経内科専門医 総合内科専門医 臨床遺伝専門医 日本頭痛学会専門医 / 神経変性疾患
  • 野田 隆政(ニューロモデュレーションセンター(NMC))
    野田 隆政(ニューロモデュレーションセンター(NMC)) 精神診療部長、臨床心理部長
    経歴
    山梨医科大学 2001年卒
    専門分野・資格
    精神保健指定医 精神保健判定医 日本精神神経学会精神科専門医・指導医 日本臨床薬理学会特別指導医
  • 岩崎 真樹(ニューロモデュレーションセンター(NMC))
    岩崎 真樹(ニューロモデュレーションセンター(NMC)) 脳神経外科部長
    経歴
    東北大医 1997年卒(医学博士)
    専門分野・資格
    日本脳神経外科学会脳神経外科専門医 日本てんかん学会認定てんかん専門医 認定日本臨床神経生理学会専門医 日本小児神経外科学会認定医
  • 原 貴敏(ニューロモデュレーションセンター(NMC))
    原 貴敏(ニューロモデュレーションセンター(NMC)) 身体リハビリテーション部長
    経歴
    岩手医科大学 2009年卒
    専門分野・資格
    日本リハビリテーション医学会専門医・指導医     身体障害者福祉法15条指定医
  • 住吉 太幹(ニューロモデュレーションセンター(NMC))
    住吉 太幹(ニューロモデュレーションセンター(NMC)) 児童・予防精神医学研究部長
    経歴
    金沢大学 1989年卒
    専門分野・資格
    精神保健指定医 日本精神神経学会精神科専門医・指導医 日本臨床精神神経薬理学会専門医・指導医
  • 松井 彩乃(ニューロモデュレーションセンター(NMC))
    松井 彩乃(ニューロモデュレーションセンター(NMC)) 整形外科医長
    経歴
    筑波大学 1993年卒
    専門分野・資格
    リハビリテーション整形外科、ニューロモデュレーション/整形外科専門医 日本リハビリテーション専門医、認定医 日本体育協会 公認スポーツ医
  • 林 大祐(ニューロモデュレーションセンター(NMC))
    林 大祐(ニューロモデュレーションセンター(NMC)) 精神科医長
    経歴
    山梨大学 2010年卒
    専門分野・資格
    精神保健指定医 日本精神神経科学会精神科専門医・指導医 日本医師会認定産業医
  • 五十嵐 俊(ニューロモデュレーションセンター(NMC))
    五十嵐 俊(ニューロモデュレーションセンター(NMC)) 精神科医員
    経歴
    東邦大学 2015年卒
    専門分野・資格
    精神保健指定医 日本精神神経科学会専門医・指導医
  • 熊谷 航一郎(ニューロモデュレーションセンター(NMC))
    熊谷 航一郎(ニューロモデュレーションセンター(NMC)) 精神科医員
    経歴
    金沢大学 2018年卒
    専門分野・資格
    精神保健指定医 日本精神神経学会精神科専門医  専門 臨床精神医学