統合失調症
統合失調症は、人口の約1%の人々が罹患する精神疾患で、幻覚や妄想などの陽性症状、意欲低下や感情表出の減少などの陰性症状、集中力・記憶力、計画の立案、問題を解決する力などが低下する認知機能障害が主な症状として知られています。その原因は現在でもはっきりと解明されていません。10代後半から30代に発症する方が多く、就学や就労などの社会生活の継続に多大な困難をきたすため、早期の診断と治療が重要です。発症当初は、うつ病や不安障害、発達障害などの他の疾患との区別がつきにくいこともあり、早めに専門の医療機関を受診することをお勧めします。治療は薬物療法や認知行動療法などの精神療法、生活技能訓練(SST)や認知リハビリテーションなどの心理社会的治療を組み合わせて行います。
症状
-まわりに人がいないのに声が聞こえる(幻聴)
-嫌がらせをされている。盗聴されている。(被害妄想)
-周囲からじろじろ見られている(被注察感)
-自分の考えが周囲に漏れ伝わっている、筒抜けになっている(思考障害)
-やる気がしない。行動を持続できない(意欲低下)
-喜怒哀楽に乏しい。他人と喜びや悲しみを分かち合えない(感情鈍麻)
-人と接することをさける(自閉)
-物忘れが多い。ミスを繰り返す。物事に取り組むが続かない(記憶力低下、注意・集中力低下)
-人より動作が遅く、時間がかかる。段取りよく物事を行えない(処理速度及び遂行機能の低下)
上記は症状の一例です。一つの症状だけで、診断できるわけではありませんし、すべてがそろわなければならないわけでもありません。
これらのうち複数の症状があり、就学や就労等の日常生活に支障をきたしているかも重要なポイントです。
対象の外来診療科目
mECT/rTMS専門外来
【医療機関専用・WEB申込不可】
ECT(電気けいれん療法)やrTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法)を用いて、うつ病や双極症、統合失調症への治療を提供いたします。これら電気や磁気を用いて脳の活動を調整し、症状を改善する治療法をニューロモデュレーション療法と呼んでいます。治療抵抗性うつ病に対するrTMS(急性期治療)は、保険診療として実施しており、日本精神神経学会による適正使用指針に準拠して1日約40分、週5日間を3~6週行います。
当院では、保険診療によるrTMSの他にも、先進医療や臨床研究としてニューロモデュレーション療法を提供するなど積極的に活動しています。詳しくは、ニューロモデュレーションセンターの説明をご参照ください。※医療機関の精神科医からのご紹介が必要です。
統合失調症専門外来
【医療機関専用・WEB申込不可】
統合失調症専門外来では、統合失調症を中心とした精神病性障害の診断と治療を行います。
統合失調症は、思考の混乱や妄想、幻覚などを特徴とする疾患で、日常生活に大きな影響を及ぼします。
当外来では、薬物療法や認知行動療法、家族療法などを組み合わせ、患者さんの症状を軽減し、社会復帰をサポートいたします。
こころケア
こころをいたわる方法を知りたい方に向けたプログラムです。
CBTセンターと共同開発した、リカバリーを目指す認知療法(CT-R)や
マインドフルネス・セルフコンパッションなどの要素を取り入れた
内容となっています。
個別プログラム
「何から始めたらいいのかわからない」「少しづつ社会復帰したい」など、
一歩踏み出したい方に向けた個別支援プログラム。
パンフレットはこちら
からだケア
自分のからだやこころに目を向ける“きっかけを提供し、
健康的な習慣や生活のリズム作り”を支援します。
睡眠力アッププログラム
睡眠の仕組みや、より良い睡眠を得るための日中の過ごし方や
環境設定などをグループで学び・体験するプログラムです。
開催日については、お手数ですが電話にてお問合せください。
睡眠障害センターと連携して実施しております。
パンフレットはこちら
精神科一般外来
【医療機関専用・WEB申込不可】
精神科一般外来では、統合失調症、うつ病、双極性障害(双極症)、不安症(不安障害)、強迫性障害など、幅広い精神疾患の診断と治療を行っています。問診や検査を行い、薬物療法や心理社会的支援を組み合わせて適切な診療を進めていきます。診察の中で、より専門的な評価や治療が必要と判断される場合には、各専門外来をご案内することもあります。また、地域の医療機関からの紹介にも対応しており、医療連携を大切にしながら安心して受診いただける体制を整えています。受診先に迷う方も、まずは一般外来をご検討ください。