NCNP病院

診療科目・部門 clinical department

診療科目・部門 clinical department

てんかん

てんかんとは

 てんかんは、脳の神経細胞が過剰に活動することによって繰り返し発作が引き起こされる(てんかん発作)病気です。てんかんは、どの年齢でも発症しますが、小児や高齢者での発症が多いです。患者さんの数は1000人に5〜8人といわれており、よく見られる病気です。診断には発作の際の症状に加えて、脳波、MRIなどの画像検査が役立ちます。血管障害や腫瘍、形成異常などの脳の障害による場合、遺伝による場合がありますが、原因がはっきりしないこともあります。

診断について

 てんかんの診断では、以下のような情報が重要になります:
・発作時の症状に関する詳しい問診
・脳波検査(EEG) MRIなどの画像検査

 中でも、発作中の様子をどのように見えたか(目撃情報)が非常に重要です。そのため、初診の際には、発作を実際に目撃したご家族やご友人がご一緒くださると、より正確な診断につながります。また、発作の様子を動画で記録されている場合には、その動画を持参いただけると非常に参考になります。

てんかんの治療

 てんかん発作の治療には抗てんかん薬を使用します。発作の症状や原因によって様々な抗てんかん薬の中から使用する薬剤を選択します。抗てんかん薬で約70〜80%の方で発作がなくなります。他の治療法としては、ステロイドなどの抗てんかん薬以外の薬剤、ケトン食などの食事療法があります。また、外科手術が有効なこともあります。てんかん外科の手術は、発作の起こっている脳の一部を切除する手術のほか、発作の程度や頻度を改善することを目的とする脳梁離断術や迷走神経刺激術もあります。

症状

てんかん発作の症状は、発作の活動が脳のどこから起こるのか、どのように広がるのかで様々に異なりますが、大きく分けると、全般発作と焦点発作に分けられます。脳全体が一気に発作の活動に巻き込まれるものを全般発作、脳の一部から生じる発作を焦点発作と呼びます。焦点発作がそのまま脳全体に広がることもあります。発作症状の代表的なものは以下のようなものです。

・意識がなくなり手足が硬くなり、その後ガクガクと全身がけいれんする発作。
・意識が数秒~十数秒ほど途切れる。
・意識が朦朧とし、手を動かしたり、口をくちゃくちゃと動かしたりする。
・手、足、肩などがピクッと動く。
・頭が一瞬前へ倒れるとともに、両手が上に上がる。
・体の一部(例えば右腕)に力が入る。そのまま全身に広がることもある。
・体の一部に異常な感覚を感じる。
・お腹の中で込み上げてくる感じがする、急に動悸がする、などの自律神経の症状。
・恐怖感、ものが歪んで見える、初めて経験したことが以前にも経験したように感じられる、など。

対象の外来診療科目

てんかん学習プログラム

 てんかんの知識や向き合い方、自分自身で対処できることをグループで学びます。
 就学中の方も参加しやすいよう夏季、冬季、春季で開催しています。
 実施スケジュールについては、お手数ですがお問い合わせください。
 てんかん診療部と共同で実施しております。
パンフレットはこちら

成人てんかん外来

【WEB申込可・医療機関申込可】
成人(16歳以上)のてんかんに対する診断と治療を行います。
15歳以下の方は、「脳神経小児科一般外来」へお申し込みください。

発作の頻度や重症度を管理するための薬物療法が主な治療法となりますが、外科手術や神経調節療法もふくめて総合的に治療いたします。
当外来では、患者さんの生活の質を向上させるために支援を行います。

乳幼児から成人まで、あらゆる年齢層を対象にしたてんかん外科を行っています。
てんかん専門医が発作症状と脳波を評価し、高磁場MRIやPET検査、脳磁図(MEG)などの専門的な画像診断を併用して治療方針を決めます。
SEEG(定位的頭蓋内脳波)や定位的温熱凝固療法など、患者さんの負担や侵襲が低い手術を積極的に取り入れています。

・側頭葉切除術/選択的扁桃体海馬切除術
・焦点切除術
・前頭葉切除術/後頭葉切除術
・大脳半球離断術、大脳半球後半部離断術
・脳梁離断術
・迷走神経刺激装置植込み術(VNS)
・脳深部刺激装置植込み術(DBS)
・定位的温熱凝固術
・定位的頭蓋内電極留置術(SEEG)

総合てんかんセンター

【WEB申込可・医療機関申込可】
NCNP総合てんかんセンターとして、てんかん専門医が精神科・脳神経内科・脳神経小児科の医師と連携して専門的な診療を行っています。てんかん発作なのか分からない、治療を始めるべきか判断が難しい、自動車運転や妊娠出産関することなど、ぜひご相談ください。
特に、長時間ビデオ脳波検査はてんかんの診断に大きな力を発揮します。
てんかん患者さんが抱える精神的問題についても精神科と連携して対応しております。

・ てんかん発作かどうかの鑑別
・ 内服治療や自動車運転の可否に関するご相談
・ 脳波検査および長時間ビデオ脳波(入院)
・ 発作のある患者さんの薬剤調整
・ てんかんの術前検査と外科手術
・ 迷走神経刺激療法(VNS)
・ 脳深部刺激療法(DBS)
 

外来のご案内

*16歳以上の方は、「成人てんかん外来」へお申し込みください。
*15歳以下の方は、「脳神経小児科一般外来」へお申し込みください。

脳神経小児科一般外来

【WEB申込可・医療機関申込可】
当院脳神経小児科では、小児期に発症する神経症状を主訴とする患者さんはすべて対象となります。
特にてんかん診療、神経筋疾患診療は専門施設として豊富な経験があり、チームで診療を行っております。
発達の遅れや行動の問題などでは、臨床心理士と連携して評価いたします(療育・心理カウンセリングは行っておりません)。

成人脳波専門外来

【WEB申込可・医療機関申込可】

 

脳波外来: 問診のあと当日のうちに脳波を実施し、結果をご説明いたします。 

脳神経外科一般外来

 【WEB申込可・医療機関申込可】

★てんかん外来について
NCNP総合てんかんセンターの一員として、てんかん専門医が精神科・脳神経内科・脳神経小児科の医師と連携して専門的な診療を行っています。本当にてんかん発作なのか分からない、治療を始めるべきか判断が難しい、自動車運転や妊娠出産に向けた指導など、ぜひご相談ください。特に、長時間ビデオ脳波検査はてんかんの診断に大きな力を発揮します。てんかん患者さんが抱える精神的問題についても、精神科と連携して対応しております。


 - てんかん発作かどうかの鑑別
 - 内服治療や自動車運転の可否に関するご相談
 - 脳波検査および長時間ビデオ脳波(入院)
 - 発作のある患者さんの薬剤調整
 - てんかんの術前検査と外科手術
 - 迷走神経刺激療法(VNS)
 - 脳深部刺激療法(DBS)
 - 微小血管神経減圧術(三叉神経痛、片側顔面けいれん、舌咽神経痛)
 - ボトックス治療(片側顔面けいれん)