NCNP病院

診療科目・部門 clinical department

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ジストニア

ジストニアとは
筋肉が意図に反して収縮した結果、異常な姿勢や運動が生じている状態です。原因として運動を司る脳内の回路に混線が生じた結果、脳から筋肉へ正常な指令が出せない状態となっていると考えられています。ほとんどの患者さんにおいて、レントゲン、MRI、脳波などの検査には異常がみられません。実際の筋緊張の評価(筋電図検査、超音波検査等)を補助的に行うこともありますが、基本的に発症に至った経緯や症状を合わせて診断しています。問題のある筋肉の緊張を緩和するボツリヌス毒素製剤の注射や内服薬による治療法があります。当院では保険診療の範囲内でこれらの治療を行っています。
原因のはっきりしない特発性ジストニアが大半を占めますが、他にも薬剤の影響で発症する遅発性ジストニア、遺伝子異常によって起こる遺伝性ジストニアもあります。症状が多くの場所に出ている場合や、内科的治療で十分な効果が得られない場合には深部脳刺激療法(DBS)や凝固術といった脳外科手術を行うこともあります。
ジストニアは疑わないと診断できない病気です。ただし「こわばり感」「つっぱり感」だけではジストニアとは言えません。心因性を含む他の不随意運動と見分けることが困難である患者さんもいらっしゃいます。
はっきりとした診断名がつくだけで安心される方も少なくありません。お困りの際は早めの専門医受診をご検討ください。

症状

ジストニアの症状
以下に列挙するように、緊張する筋肉の場所によってさまざまな症状を引き起こします。特定の病名がついている場合もあります。

目があけづらい(眼瞼痙攣)
首が勝手に曲がってしまう(痙性斜頚)
字が書きづらい(書痙)
声が出しづらい(痙攣性発声障害)
話すときに舌が出てしまう(口舌ジストニア)
食いしばってしまって口が開かない(口顎部ジストニア)
歩く、階段を下りるなど特定の動作で足が内側に曲がってしまう(下肢ジストニア)
歩くときに身体が後ろに曲がってしまう(軸性ジストニア)
 

特徴


特徴としては、異常運動・異常姿勢は患者さんごとに一定である(常同性)・一定の動作を行う時に症状が惹起されやすい(動作特異性)・症状を改善させる決まった動作がある(感覚トリック)などがあり、診断にも有効です。特に動作特異性に関しては、実際の職業での体の動きと強く関係している場合も多く、お悩みの方も少なくありません(音楽家のジストニア、イップスなど)。
 

対象の外来診療科目

ボトックス/ゼオマイン専門外来

医療機関専用・WEB申込不可】
痙性麻痺や局所的な筋肉の異常収縮に対する治療を行います。
これらの治療は、筋肉の緊張を緩和し、症状の改善を図るためにボトックスやゼオマインの注射が使用されます。