臨床研究・教育研修部門
ご挨拶
トランスレーショナル・メディカルセンター(TMC)長
病院臨床研究・教育研修部門長
小牧宏文
理事会での決定を踏まえてNCNPが医療法上の臨床研究中核病院指定を受けるためにこれまで様々な検討を進めてきました。臨床研究中核病院の要件の1つとして、臨床研究中核病院の研究支援部門(ARO:Academic Research Organization)は病院の組織とし、病院長の管理下におくことが示されています。NCNPはこれまでTMCと病院臨床研究推進部でARO機能を担ってきましたが、この体制のままでは臨床研究中核病院の要件を満たさないことが明らかになりました。それが今回の組織改編の一番の理由となります。一方、臨床研究法や新倫理指針の施行などの臨床研究を行う際のルールの複雑化、ならびに厳格化によって臨床研究を行う際の、研究者の負担はとても大きくなっています。NCNPとしても臨床研究を適切に管理していくことが強く求められています。このように、臨床研究中核病院の要件に関わらず、臨床研究支援、ならびに管理に関わる体制整備が求められている状況もあります。
具体的な改編内容については図を参照いただければと思いますが、TMC情報管理・解析部と臨床研究支援部の大半が病院臨床研究・教育研修部門に移動、病院臨床研究推進部がなくなりました。結果としてTMCは3室のみの体制となり研究管理、産学連携支援、橋渡し研究支援などを担います。他の大学やNCと比較してNCNPの研究支援組織は決して大きいものではありませんが、様々な経験や知識を有するメンバーがそろっており、それなりのレベルでの研究支援が可能と考えています。NCNPが主導する医師主導治験については原則フルサポートしますし、臨床研究法下で実施する特定臨床研究や、薬事制度下での利活用に資するレジストリ構築に関わる主たる研究についても準備段階を中心とした部分的な支援になると思いますが、研究者の支援を今後とも積極的に進めていく所存です。今年度設置された教育研修部も病院臨床研究・教育研修部門の中に設置されることになりました。診療、ならびに臨床研究の質の向上には教育研修が重要であることは言うまでもないことで、教育研修機能の充実も今後検討していきます。
病院臨床研究・教育研修部門は読むと長くなってしまいますので、英語表記のClinical Research & Education Promotion Divisionの略語としてCREP(クレップ)という名称を作りました。AROは臨床研究支援を主に担う部門ですが、例えば生物統計やAIを用いた研究については基礎研究者のニーズもあると思いますので、研究支援や共同研究を希望される場合にも相談いただければと考えています。引き続き臨床研究中核病院指定に向けて、特に医師主導治験、特定臨床研究の実施数、ならびにそれらに関わる論文数がまだまだ足りていない状況です。NCNPが一丸となって臨床研究中核病院指定を受け、新しい医療創出につながる研究開発の推進に向けて取り組んでいけるよう今後も活動していきます。
組織図