未診断疾患、難病への取り組み

未診断疾患イニシアチブ(Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases: IRUD)は、複数の臓器にわたって障害がある状態が長期に持続し、遺伝性疾患が疑われる未診断疾患の患者さんに対して、最先端のゲノム解析技術を駆使して診断を確定し原因を解明するための、全国縦断的・専門分野横断的なプロジェクトです。2015年に国立研究開発法人日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development:AMED)を中心に小児IRUD、ついで成人IRUDが発足し、2017年に統合されました。
IRUDは2021年現在で全国39拠点病院・13高度協力病院・5解析センター・1データセンター・1コーディネーティングセンター・1リソースセンターで構成されています。
当センターは、コーディネーティングセンターと拠点病院の機能を担っており、リソースセンターも兼任しています。2021年3月までにエントリー数は6000家系・18000人を超えており、40%以上の診断率を達成しています。
主な活動内容
かかりつけ医の先生におかれましては、IRUDのホームページからコンサルトシートをダウンロードしていただき、必要事項を記載して当センターのIRUD事務局に送付ください。IRUD診断委員会などでコンサルトシートの内容を検討し、エントリーの可否に関して事務局よりご連絡させていただきます。
エントリー可能性ありと判断された場合には、当センターの臨床ゲノム外来(成人担当:脳神経内科 高橋祐二、小児担当:脳神経小児科 竹下絵里)の予約をお取りください。具体的な予約取得方法は下記の「予約方法」をご参照ください。
IRUDにエントリーされた場合、半年を目途に結果を報告する予定でございますが、解析の進捗状況によってはそれより遅れる場合があることを御了解ください。
エントリーできないと判断された場合でも、より適切と思われる方法をアドバイスさせていただきます。

- IRUDは通常の保険制度の範囲内で診療を行っております。解析に関してはAMEDの研究費でまかなわれており、患者さんにご負担頂くことはございません。
- 新規原因遺伝子同定などの成果が出たときには、紹介医を含め一人一人の寄与を十分に考慮します。
IRUD診断委員会
当センターでは、月一回のIRUD診断委員会を開催し、エントリーの事前検討・ゲノム解析後検討を行っています。IRUD診断委員会には、脳神経内科、小児神経科、精神科、脳神経外科の各診療科と、メディカルゲノムセンター、地域医師会の医師が参加しています。未診断疾患の中の数多くを占める脳神経系疾患において、当センターの特色を活かし、小児から成人まで切れ目のない体制で総合的な診断を行っています。
IRUD診断委員会メンバー
NCNP
- 水澤英洋
- 理事長特任補佐(研究開発代表者)
- 中込和幸
- 理事長
- 戸田達史
- 病院院長
- 高橋祐二
- 特命副院長・脳神経内科診療部長・ゲノム診療部長(臨床遺伝専門医)
- 岩崎真樹
- 脳神経外科診療部長・手術中央材料部長
- 小牧宏文
- TMCセンター長・病院臨床研究・教育研修部門長・脳神経小児科診療部長・筋疾患センター長
- 野田隆政
- 精神診療部長
- 竹下絵里
- 脳神経小児科診療部第一脳神経小児科医長・ゲノム診療部遺伝カウンセリング科医長・臨床検査部遺伝子検査診断室医長(臨床遺伝専門医指導責任医)
- 井上 健
- MGCゲノム診療開発部統合ゲノム診療室長(臨床遺伝専門医)
- 伊達英俊
- MGC臨床ゲノム解析部ゲノム情報管理室研究員
- 佐藤奈穂子
- 脳神経内科診療部医師(臨床遺伝専門医)
- 濵 由香
- ゲノム診療部医師(臨床遺伝専門医)
- 阿部ちひろ
- ゲノム診療部医師(非常勤)(臨床遺伝専門医)
- 杉本立夏
- ゲノム診療部 遺伝カウンセリング科 認定遺伝カウンセラー
- 原口陽和
- ゲノム診療部 遺伝カウンセリング科 認定遺伝カウンセラー
- 香取竜生
- 公立昭和病院小児科部長・周産期母子医療センター副センター長
- 佐々木征行
- 東京小児療育病院院長
- 和田恵子
- 東京小児療育病院副院長兼診療部長
- 小澤忠嗣
- 自治医科大学脳神経内科

連絡先
日本医療研究開発機構 難治性疾患実用化研究事業
「未診断疾患イニシアチブ(Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases(IRUD)):
希少未診断疾患に対する診断プログラムの開発に関する研究」
研究代表者:水澤英洋
IRUD事務局
高橋祐二(担当研究者)
E-mail:irud@ncnp.go.jp