ミトコンドリア病
ミトコンドリアは、私たちの身体の細胞の中に存在しています。一つの細胞の中にミトコンドリアは数百個程度存在し、細胞が生きるのに必要なエネルギーを作り出すなどの働きを担っています。ミトコンドリアに問題が生じ細胞の働きが悪くなることで臓器に負担がかかる結果、様々な症状を示すようになる病気がミトコンドリア病です。ミトコンドリアは、ミトコンドリア遺伝子と呼ばれる独自の遺伝子を持っており、ミトコンドリア遺伝子の変化と核にある遺伝子の変化いずれもミトコンドリア病の原因となります。ミトコンドリア病は患者さんの数が少なく、診断に筋生検や遺伝子検査などの特殊な検査が必要となることが多く、専門施設で診療される場合が多いです。
症状
ミトコンドリアは全身の細胞に存在しているため、ミトコンドリア病では様々な症状が生じます。特に、全身の臓器の中でもエネルギーの需要が高い脳や筋肉に症状が現れることが多くあります。下記に示すように、多臓器に渡る症状を示す場合が多く、症状や検査所見によってミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様症候群(MELAS:メラス)、赤色ぼろ線維・ミオクローヌスてんかん症候群(MERRF:マーフ)、慢性進行性外眼筋麻痺症候群(CPEO)、Leigh(リー)脳症などに分類されます。
脳:けいれん、脳卒中症状、精神症状、不随意運動(ミオクローヌス、ジストニア)
筋肉:筋力低下、易疲労性
心臓:心不全、不整脈
腎臓:尿細管機能障害、腎不全
耳:難聴
眼:視覚障害、眼球運動障害
膵臓:糖尿病
消化管:下痢、便秘
対象の外来診療科目
小児 筋疾患専門外来
【WEB申込可・医療機関申込可】
筋ジストロフィーや筋肉の炎症性疾患など、子どもの筋肉に関わる疾患の診断と治療を行います。
当外来では、リハビリテーション、薬物療法、遺伝カウンセリングなどが提供され、症状の進行を遅らせるとともに生活の質を向上させます。